振袖帯結び「立て矢」

振袖の帯結びの基本形は大きく分けると、お太鼓系の「ふくら雀」文庫系の「文庫」立矢系の「立て矢」の3種類あり、それらにアレンジを加えた変わり結びは数えきれないほどあります。

「ふくら雀」は近代になってから生まれた形ですが、「文庫」は武家の奥方の帯結びの形でシンプルですが、気品があり優雅です。
「立て矢」は、昔からある帯結びで江戸時代の奥女中が結んでいた形で、左肩から右下へ斜めに動きのあるフォルムが特徴です。

奥女中の外出時は今と同じ左肩にかかる「立て矢」ですが、城内にいるときは立て矢の向きが反対となっていました。現在はその基本形にヒダをプラスしたりと様々なアレンジを加え、華やぎのある帯結びになっています。

その流れをくみ、花嫁の引き振袖やお色直しの帯結びに用いられています。
シンプルな形ながら、技術的には難しいので皆様のぜひ挑戦してみてください。