「アンティーク着物」とは一体なんですか?

アンティーク着物とは、諸説ありますが、おおかた江戸末期から戦前の昭和初期の時代に仕立てられた着物(和服)を指します。

日本人が日常的に着物を着ていた時代のものが、アンティーク着物として現代にも流通しているのです。人工的に作られた繊維も、化学染料も使われていない天然素材の着物は、まるで骨董品のような独特の空気感と美しさを持っています。現代の着物にはないレトロなデザインから人気も高く、アンティーク着物専門の愛好家も数多く存在します。

ちなみに、昭和初期以前の戦前に仕立てられた着物をアンティーク着物と呼ぶように、昭和中期以降の戦後に仕立てられた着物のことを「リサイクル着物」と呼び区別をします。こちらはアンティーク着物とは違い、色使いや柄などが現代着物と同じように作られています。

アンティーク着物を手に入れるためには、アンティーク着物の専門店に足を運ぶのが最良ですが、骨董市やネットショップでも手に入れることができます。状態がよく質の高いアンティーク着物は、数十万円の値が付くことも珍しくありませんが、お試しで着てみたい場合には比較的安価な値で購入やレンタルできるものがおすすめです。

アンティーク着物を購入する際は、仕立てられた時代が古いために、劣化していることが少なくないということを心得ておきましょう。特に裏地の変色や、衿や袖などにシミがある場合も多いので注意が必要です。他にも、アンティーク着物が持つ大きな特徴は、現代のものよりもサイズが小さく作られていることです。これは、昭和初期以前の日本人の体型が現在よりも比較的小柄だったことが理由です。購入前に自分に合うサイズかどうかをよく確認しておきましょう。

上記のように、アンティーク着物はそのモダンな色柄や雰囲気が大変魅力的な着物です。着物に合わせて、帯や小物類もアンティークなものを揃え、かつて流行していた色や柄を現代で着こなすという楽しみ方をしてみてはいかがでしょうか。