着物を着られる習い事って?

着物を着る習い事と言えば、いくつかあげられますが、まずは茶道です。
茶道は、室町時代に村田珠光がはじめ、千利休が大成させて現代に至ります。
お茶の飲み方、懐石、茶室、など学び始めたらきりがないほどで日本が誇る総合芸術として挙げられます。現代では洋服で学ぶことも多い、茶道ですが、お茶会などは着物で行うことが正式であり、着物が活躍する場面でもあります。
着物については流派によって、考え方が違うので先生方に尋ねるといいでしょう。
次にあげられるのが華道です。華道は古くは伴花を発祥とし、茶道と同じく室町時代に池坊専慶が大成させ、現在、様々な流派が存在しています。こちらも洋服で学ぶことが現在では多いですが、正式であれば、着物を着る場面が多く、着物を着られる習い事とされています。

次にあげられるのが日本舞踊です。
日本舞踊は主に舞い、振り、踊りの三つに大別されますが、一般的に日本舞踊と言われて、イメージするのは、花柳流をはじめ五大流派の日本舞踊です。踊りは、必ず着物を着ますので、着物を着ることが多い習い事と言えます。
ただ、日本舞踊の着付と着付教室の着付は大きく違いがあり、日本舞踊の着付は動きが大前提にあり、大きく動いてもある程度、着くずれしないことが前提の着付となっています。

それに対し、着付教室の着付は着物を綺麗に着こなすこと、または他人へ綺麗に着付をすることを主眼に置いており、着付に対する考え方に根本的な違いがあります。
着付という言葉は、一括りにされることが多く、踊りの方から見た着付の考え方と、着付教室から見た着付の考え方は、目的そのものが異なります。
どちらがいいということではないですが、ご自身の目的をはっきりさせて、学ぶことが大事だと思います。

大きく、着物を着る習い事は茶道、お花、日本舞踊を上げましたが、そのほかにもまだまだたくさんあると思います。
着付教室として着物を習い、着物を着る楽しみは非日常的な空間、出来事に対し、着物を着て楽しむ。ということが最大の楽しみではないでしょうか?
歌舞伎鑑賞、お能鑑賞、文楽鑑賞、その他演劇での着物で鑑賞。
または美術館で優雅に着物で鑑賞するのも楽しみの一つかもしれません。着物の柄と技法は、日本画の構図が発祥とされていて、着物の観点から日本画を鑑賞するとまた違った発見があると思います。

浅草、鎌倉、川越、京都での着物を着ての観光。最近は、手ぶらで着物をレンタルすることができるお店が急増しています。非常にリーズナブルでレンタルできるので、着物を体験する第一歩としてはいいのかもしれません。

しかし、ご自身で揃えた愛着のある着物を自分で頑張ってきて出かけるという体験は 自分でしか味わえないものなので、少しでも気持ちがある方はぜひ挑戦して頂きたいと思います。
着物を着る機会として他にあげられるのが、ホテルやグランドメゾンでの食事会です。夏場の浴衣だけは、ホテルやグランドメゾンもNGなところがありますので、ご注意ください。

友人の結婚式の着物での参列など、着物は洋服と違った楽しみ方があります。着物を着るとわかっていると、わざわざ着物で出席して下さい。招待状に書かれていたり、直接依頼されたりと、やはり結婚式を着物で出席するという事は、結婚式を華やかにする意味でもご友人へのお祝いだと思います。

現代においては、着物を着ることは手入れも大変で着付にも時間が掛かります。 何事も手早く済ませてしまう現代において、着物を着るという事は、『丁寧に生活する。』ということを見直すきっかけにもなるのはないでしょうか?

忙しい現代、忘れがちな自分を見直すためにも、じっくり着付をして、着物で街へ出てみると、そこには違った景色が見えるのかもしれません。