お茶会に着ていく着物は?
さて、着付けを始める方のなかには、茶道を習われている方も多く、お茶会でどんな着物を着ていったら、いいの?という質問もよく学院では、聞かれます。
今、記事を書いている筆者は、大学時代に京都で茶道を4年間、みっちり学び、というより、大学そっちのけで茶道ばかりやっていました。
役に立てようと思って、習った茶道ではなかったのですが、自分の人生において、これほど、役に立つとは、夢に思いませんでした。
大学時代には、きものTPOやお茶会の着物について、深く考えていませんでしたが、着付、着物の仕事に携わらるようになり、当然聞かれることも多くなってきました。
昨今は、茶道も始める人が少なく、着物を着てお茶会をする。というだけで、すごくハードルが高くてやめてしまう方が多いようで、私の茶道の先生も大変嘆いていました。
ただ、着物を着て、お茶会をする。お茶の稽古をする。ということも格別のことでぜひ体験したいものでもあります。
まずは茶道において、普段の稽古とお茶会という、大きく二つの用途が分かれると思います。
普段の稽古は当然、洋服で。というところも多いですが、着物を着てももちろんOK。
そんな時に着る着物で一番のおすすめは
色無地は、反物すべてが一色に染められているもので、裏地である八掛も基本同色になります。
色無地は、お茶会でも最も着用機会が多く、大変重宝されます。
家紋を1つか3つ入れると完全な礼装になりますが、かもんをいれなければ、礼装、おしゃれ着とどちらも着用可能なので、今は家紋を入れない方が多いようです。
写真は、永治屋清左衛門の色無地に袋帯。お茶会にはぴったりのコーディネート。
続いては、こちらはお稽古限定になりますが、紬です。
紬は、紬糸で織られた絹織物で、古くから日常の衣料や野良着として用いられたとされています。昔は普段着でしたが、今は紬は、高級品として普及されています。ただ高級品だからと言ってお茶会に着て行っていいわけではなく、あくまでも普段着ということで紬は茶道では、お稽古に着ていく方が無難です。
写真は、本場結城紬に永治屋清左衛門の袋帯。お稽古には少々贅沢な組み合わせ。
続いては江戸小紋です。
江戸小紋は、江戸時代の武士が着用していた裃がもとになっていて、その中でも、鮫、行儀、角通しは江戸小紋三役といわれ、この三つは色無地と同格とされています。
色無地と同じ扱いなので、礼装の帯をすれば礼装。普段着の帯をすれば、普段着と幅広く着用でき、最初の一枚としても進められることの多い、着物です。
写真は、鮫柄の江戸小紋に、博多の八寸帯のコーディネートです。
続けては、訪問着。こちらは絵羽柄で作成する着物で、礼装にあたります。お茶会で着用されることの多い着物です。
ただお茶会は、お茶会を主宰している方や、自分の先生より格上のものを着用しないことがマナーとなっているため、着用されるときは習われている先生に相談してから着用することをお勧めします。
また、季節限定の柄が描かれているものも多いので、季節に合っているかどうかも留意する必要がありますね。
写真の着物は、笹柄の京友禅の訪問着に、西陣織の礼装の袋帯。王道の組み合わせです。
まとめますと
お稽古時
小紋 紬 色無地 江戸小紋
お茶会
色無地 江戸小紋 訪問着
時と場合によりますが、以上のように合わせておけば、間違いないかと思います。
袷、単衣、夏物に関しては決まり通りですが、温暖化のこともあり、柔軟な形でいいと思います。
最後に基本的にNGなのは、
浴衣です。
七夕茶会などで浴衣着用。という時もありますが、お稽古、お茶会にかかわらず、浴衣の着用はないので、こちらも習っている先生に伺ってみてください。
流派、先生によって、主張が違いますので、そこは聞きながらですが、最低限のTPOは守っていきたいですね。
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