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026年度の成人式も無事に終わり、ひと段落した頃。
先日、あるパーティーで同業の着付師さんとお会いしました。
そこで耳にしたのは、あまりにシビアな現場の現実でした。
その方のチームリーダーが、「着付けのクレームによる全額返金の謝罪」
対応に追われ、パーティーに遅れて参加するというのです。
「数ミリのズレ」が全額返金に繋がる現実
長くこの仕事をしていると、年に一度はこうした話を耳にします。
中には「それは致し方ない」というミスもありますが、
一方で、「衿が数ミリズレていた」という理由だけで、
振袖のレンタル代まで含めた全額返金を迫られたケースもあるといいます。
こうした過剰とも思えるクレームには、実は2つの「共通点」があります。
レンタルの価格帯
クレームのつけ方(言い回し)
具体的な内容はここでは明かせませんが、
こうしたリスクから自分たちを守るためには、事前の「仕組みづくり」が不可欠です。
店舗(呉服店・レンタル店・ホテル等)から仕事を請け負う場合、以下のポイントを必ず確認しておきましょう。
1. 契約書を明確に交わす
昨今は契約を交わすお店も増えましたが、曖昧なまま受けてしまうのは危険です。
トラブル時の責任の所在を明確にしておきましょう。
2. 責任範囲を定義する
「着物を着せる」こと以外に、どこまでが自分の仕事かを合致させておきます。
指定の着付け道具はあるか?
仕上がり時間のデッドラインは?
お客様の荷物(脱いだ服など)の管理はどうするか? お店によってルールは千差万別です。
3. 「証拠」を残す(写真撮影)
仕上がった着姿(前後)を必ず写真に収めてください。
お客様が会場を出た後の着崩れなのか、最初からのミスなのかを判断する重要な証拠になります。
4. 道具のせいにしないで技術を磨く
「着物、帯道具が足りない、悪い、からできない」とお客様の前で口にする着付師は意外と多いものです。
全額返金になることはないですが、決してお客様の持ち物を批判しないのは着付師としての最低限のマナーです。
プロとして、あらゆるケースに対応できる練習を積むのは、信頼を守るための最低条件です。
直接お客様から依頼を受ける場合、
実は「全額返金」のような泥沼のトラブルは少ない傾向にあります。
とはいえ、油断は禁物です。
事前チェックの徹底: 持ち物リストを事前にお渡しし、当日「足りない!」というパニックを防ぎます。
書面での確認: 個人間でも、キャンセルポリシーや当日の流れを書面(メールやLINE含む)で残しておきましょう。
一生に一度のお祝いの場だからこそ、お客様の期待値は高く、
時にそれは厳しい要求へと変わります。
高い技術を磨くことはもちろんですが、**「自分とお店を守るための準備」**を怠らないこと。
それが、長くこの仕事を愛し、続けていくための秘訣ではないでしょうか。
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