
着物を着る際、帯の高さ一つで全く違う印象を与えるのが着物の良さの一つでも
あります。今回は、帯の高さについて身体整う着付け「青華」が解説いたします。
帯が高い位置
帯の位置が高いと若い印象を与えます。人に着せる他装、特に成人式の
振袖の帯は、高めに結ぶようにします。
帯の位置が高くなると胸元を圧迫して苦しいということもあります。
帯が低い位置
帯の位置が低いと落ち着いた印象になります。
逆にとらえると老けた印象になることもあります。
帯の位置が下がるので胸元への圧迫が減るので、身体は苦しくない。
というかたも多いようです。
帯の高さの目安
一般的な帯の高さの目安は、以下の通りです。
- 若い方:みぞおちから指幅1~2本分ほど下
- 大人の方:みぞおちから指幅3~4本分ほど下
ただし、体型や着物の種類によって適切な高さは異なるため、あくまで目安として参考にしてください。
帯の高さについてよく議論がおきているようですが、高い、低いに
正解はありません。自分の好み、装う着物と帯、場所、身体のコンディションに
よって自由自在にかえることができることが一番いいことではないでしょうか?
矢田部英正著の「たたずまいの美学」という一節に
たとえば洋服のスーツやドレスは誰にでも着用が可能である。
着るだけならば難しい技術は必要なく、身体に沿った立体裁断の完成された姿が
すぐに再現される。しかし和服の場合は、それを着付けるだけで教室が開講できるほどの
複雑さをもっており、また着こなしや歩き方についても、着る人がキモノに
相応しい立ち居振る舞いの技術を身につけていないと、すぐに着崩れを起こし、
服飾の美観が失われてしまう。 西洋服飾は、服そのものの形をあらかじめ完成させておくことによって、
着用の技術を必要としない「人間非依存」の技術であり、和服の場合は、着る人間が
その様式に相応しい技術を持つことによってはじめて、和服本来の美観が発揮される
「人間依存」の技術であると言える。
と記載されているように、着物は着る人の技術一つで全く違った印象を与える衣服です。
なので帯の高さに絶対の正解はありません。着物は「人間依存」の技術であるということに理解があると
巷にあふれる着物と着付論争がより建設的になると思います。
帯の高さは、着姿の印象を大きく左右する重要な要素です。
状況や体型に合わせて適切な高さに結ぶことで、着物をより美しく着こなすことができます。
ぜひ、色々な高さで試して、ご自身に合った帯の高さを見つけてみてください。
皆様のお役に立つ過去の記事はこちら。
全6回身体整う着付け講座 受講生募集中