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着付け初心者が個人の和裁士にオーダーしない方がいい5つ理由

着付け初心者が個人の和裁士にオーダーしない方がいい5つ理由

着付け初心者が個人の和裁士にオーダーしない方がいい5つの理由

 

実家に帰ると、反物が出てきた。

反物をいただいた。せっかくなので

自分の寸法で仕立てて着物や浴衣を着てみようと

個人の和裁士さんに仕立てをお願いをするということは

あると思います。

青華に入学される生徒さんでも多いトラブルが、個人の和裁士さんに仕立てを

出したがどうも疑問に思うというものです。

このパターンはトラブルが多く、着付け初心者の方が個人の和裁士さんに

 

仕立て依頼をお勧めしない5つの理由を説明していきます。

 

着付け初心者が個人の和裁士にオーダーしない方がいい5つの理由

 

①自分のベスト寸法がわからない。

②反物の状態、仕立ての良しあしがわからない。

③柄の出し方、合わせ方にセンスが問われる。

④寸法の割り出しは時代による変化と考え方の違いがある。

⑤仕立てが悪い、間違った場合の補償が難しい。

 

 

①自分のベスト寸法がわからない。

 

着物は、洋服と違い多少寸法に誤差があっても着ることができるのが

着物の最大の良さです。

しかし、自分のベスト寸法で着付ができれば、寸法の合わない着物で着付

するより、段違いに着付けが早くなるのは間違いありません。

④で解説します寸法の割り出しが時代による変化と考え方の違いにより

実は自分のベスト寸法がわからない。というのが着物業界の問題点の一つです。

 

 

仕立ての良しあし、反物の種類、状態、がわからない。

 

 

仕立ての良しあしがわからない。

 

着付け初心者は、仕立て上がった着物や浴衣の状態がはたしていいのか、

悪いのか?この判断をすることは非常に難しいといえます。

洋服は普段着慣れている、見慣れていることもあり、日本企業も一時より法制の品質が.
下がったと言われるようになったとはいえ、
依然として全体的に高水準なのは間違いありません。

現在の着物業界は、海外縫製が主力でありますが、
企業として縫製を承っているところは、

検品と最低限のクオリティは保証されています。

特に検品という過程を経てないで独立した和裁士は自分の技術に対する安定した評価基準をえていません。

しかし、呉服業界の縫製部でそれなりに仕立てを学び、独立した和裁士ならある程度

安心といえますが、和裁学校で学んでいきなり独立しECで仕立てを承っている和裁士に

依頼するのは大変危険です。

資格があるから安心と思う方も多いでしょうが、

着付けと一緒で国家資格を取得の有無に実力は関係なく、

大事なのは資格の先にあるきちんとしたところでの実務経験です。

 

 

反物の種類がわからない。

 

お持ちの反物は、附下、色無地、小紋、紬、浴衣のどれかに当てはまることが

多いですが、ご自分の反物がはたしてどれになるのか?着付け初心者に判別は

難しいでしょう。反物の種類、袷、単衣、夏物によっても金額は違います。

自分が思っていた金額とは違う請求ということになることもあります。

 

 

反物の状態がわからない。

 

ヤケ、シミ、カビがある場合

 

反物の保管状態が悪いと色ヤケやシミ、カビの状態になります。

着物は仕立てで見えない箇所に色ヤケやシミの部分を隠して仕立てをすることは

可能です。ただ、この指示を依頼者側がすることはほぼ不可能。

受ける和裁士側の判断になりますが、きちんと提案できるか?後からクレームにならないか?と気になると難しい判断が迫られるでしょう。

 

幅が足りない。

 

ひと昔の反物は日本人の平均身長が低かったこともあり、幅が若干短めに作られていることがあります。
現代の日本人は、身長が高くなったともに手足も長くなっており、

裄が足りない。ということになってしまうことがよくあります。

着物は、着物の下に長襦袢を着用します。着物と長襦袢の寸法は連動していて、

原則として裄は長襦袢が着物より長く出てしまうとよく見えません。

着物をオーダーする場合は、着物と長襦袢の寸法の連動は必須です。

 

 

③柄の出し方、あわせ方にセンスが問われる。

 

お持ちの反物が小紋、紬、浴衣の場合、柄をどのように

持ってくるか?という問題がでてきます。洋服にない、着物特有の

面白さであり柄の出し方、合わせ方によって同じ反物の仕上がりが

全く別のものに見えるというのが着物の面白さであり、怖いところ。

ご自分で柄を指定して和裁士さんにお願いできればいいですが、着付け初心者には

ほぼ無理でしょう。そうなると和裁士さんにお任せになります。

そのできあがった柄合わせ自体がセンスが良いのか?悪いのか?その判別も

着付け初心者には難しいので、小紋、紬、浴衣は着付け初心者が個人の和裁士さんに

仕立てをお願いするのはさらに難易度が上がります。

 

④寸法の割り出しは時代による変化と考え方の違いがある

 

着物は洋服と違い、主要箇所を採寸し、そこから割り出しという方法で

各パーツの寸法を決めていきます。

着物は、洋服と違い、体にぴったりとあった寸法でなくても大丈夫なのですが

割り出しの考え方があり、センスが問われます。

 

一例をあげると

 

身長からは  身丈、長襦袢丈、コート丈など

裄からは   裄、肩幅、袖幅

腰回りからは 前幅、後ろ幅、衽幅を、割り出します。

 

長襦袢丈などは、割り出しでもいいが、実際に測った方がより良い。

測り方の基準はあることはある。

実際に測る時には、衣紋をどれ位抜くのか? 肩からの長襦袢の落ち具合は?

等々も考慮して測る(割り出す)。

身丈に関しても(割り出し寸法表というものもあるが)

同じ身長でも、とても華奢な人とふくよかな人では、割り出し寸法からプラスマイナスすることもある。

 

と例を挙げただけでも、仕立てと体型、着付に関する知識と技術が必要です。

 

裄に関しても、採寸方法は腕は60度くらいに上げ

背中心(背中の真ん中)から手首の骨あたりまでを測ります。

  ここでも60度位の塩梅が人により違う可能性があり

  測り方も肩を超える角度(きものはそのまま布が肩にそうので)を

  どのようなカーブで測るかで微妙に違い、手首の骨までか、骨を超えるかでも違ってくる

 また、割り出しも 裄を袖幅と肩幅とに振り分けるが、通常袖幅の方が広くなるようにするが、
その塩梅はある程度基準があるにしても、反物の幅と裄の長さ等々を

 考慮して振り分けなければならない。

腰回りを測り、前幅後ろ幅を割り出す計算式がある。

  が、ほとんどの人は知らないので、

  寸法表のままにすることが多い。ただ、この計算式を知っていると脇(脇縫い)は、

  真横ではなく、6センチほど前寄りになるよう仕立てられていることがわかる。

  それに基づいて前幅後ろ幅の割合を確認する。

ただ単に、前幅が足りないから、そこだけ多くすれば良いというわけではなく

バランスが大事です。

 

寸法は、標準寸法で良いところと、より自分の体にしっくりと着易くしたいのなら

一分(約4ミリ)のところまで考慮することもある。

※丈寸に関しては、のちにも変更し易いが、幅寸(特に、裄袖幅肩幅)に関しては

変更しにくいので、慎重に決定する。

 

などなど例を挙げればキリがありません。

 

⑤仕立てが悪い、間違った場合の補償が難しい。

 

仕立てが悪い場合の補償が難しい。

 

届いた仕立物が悪いと判断した場合、着付け初心者が仕立てが悪いので

仕立て直しをしてほしい。と立証するのはかなり難易度が高いと言えます。

着物の仕立てに詳しい人に見てもらって、口添えしてもらうのが一番ですが、

周りに着物に詳しい人がいる場合、個人の和裁士にいきなり依頼するというケースにならないでしょう。

 

仕立て間違いの場合、補償が難しい。

 

ご自分の反物を個人の和裁士にお願いした場合、一番難しいのは補償の問題です。

仕立て間違えで仕立ての範囲で間違えが修正できるのであれば問題ないですが

鋏をいれると取り返しがつかないという性質のものなので補償に関しては注意が

必要です。注文を受ける和裁士側も補償や返金については明記してあるところが

安心です。

 

いかがでしたでしょうか?

 

着付け初心者が個人の和裁士にオーダーしない方がいい5つの理由

 

①自分のベスト寸法がわからない。②反物の状態、仕立ての良しあしがわからない。

③柄の出し方、合わせ方にセンスが問われる。

④寸法の割り出しは時代による変化と考え方の違いがある。

⑤仕立てが悪い、間違った場合の補償が難しい。

を5つあげました。

ご自分で反物を持っているがどうしようかと思っている方の検討材料になれば

幸いです。着付けや着物に対して、一定の知識をもつようになってから

反物の仕立てを依頼する方がいいでしょう。

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