
この記事は、巷にあふれる着付け道具を一体、何を使えばいいのか悪いのか?
着付け初心者が悩む疑問について書いています。
当学院では、着付け道具についてもしっかりと学ぶことができます。
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◇着付け道具に対する個人の感想は意味がない。
〇〇の道具は使いにくい。使いやすい。
コーリンベルトは使いやすい。使いにくい。
改良枕は使いやすい。使いにくい。
着付け道具の使い方、組合せについて個人の感想やお気持ちが溢れています。
しかし、着付け道具の個別の使い方について個人のお気持ちや感想などは、ほとんど参考にはなりません。
なぜならば、着付け道具の選び方と組合せにはきちんとした思想背景があるからです。
◇着付け道具の選び方と組合せには思想背景があります。
衣服を着るということに技術が必要というのは、着物だけのものですが、
この面白さが様々な着付け技術、着付け道具、はたまた簡易着物や和洋ミックスなどさまざまなものを生み出してきました。
◇着付け道具の使用の大枠
着付け道具の使用には[着付けの手順]、[補装]のふたつの大枠があります。
着付けの手順をどうするか?
装用か他装用か?
- 装用(自分着物を着るための着付け道具)
- 他装用(人に着物を着せるための着付け道具)
古典か現代か?
- 古典(腰ひもや博多の伊達締を使用し、クリップや改良枕を使用しない。)
※戦後の着付け教室が誕生する前の着付け道具 - 現代(クリップ、改良枕ほか器具を使い手順を簡略したもの)
補整(身体を円筒型にして着物姿をきれいにする技術)をどう考えるか?
- 補整をしっかりする派。
- 補整を極力減らす派。
- 全く補整をしない派。
これらの組み合わせから着付け道具が考案されています。
なので、手順と補整について確固たる理論がない方の感想やお気持ちは、着付けの道具選びには参考になりません。
◇着付け道具選びのむずかしさ
着付け道具には沢山の種類があり、またその使い方も様々な流派があります。
区別のつきにくい自装と他装の着付け道具
注意しないといけないのは、他装用の着付け道具です。
他装用で自装には使わない着付け道具も存在します。
成人式の着付けの際、着付け道具がセットになっていて、
しばらくしてから着付けを習う際、使えると思って持参した着付け道具が使えなかったということもあります。
着付けを指導する場合は、自装の道具と他装の道具の区別、
教室によっては、それを教室の解釈で分けているところもあるので誤解のないよう、説明することは大事なことです。
※着付けを本格的に習い、人に着せることを目指す人は、どんな着付け道具でも使えるようにならないといけません。依頼の当日に、着付け道具のせいで着付けができないないとは言えませんよね。
膨大な数の着付け道具
業界関係者が注文するカタログを見ると、
お太鼓枕 42種類、前板 30種類、伊達締め 8種類もあり、これは一例です。
着付け教室オリジナル、着付け小物専門店独自開発商品、個人のアイデア商品
数を上げればきりがありません。
一時の流行ではやった着付け道具、流派特定もある。
また、その時代に流行って、今は使用頻度は少ない。
特定の着付け教室だけが使用する。という着付け道具もあります。
オリジナルの着付け道具で簡単に着物が着ることができるという着付け教室や、着付け道具販売業者、個人の考案者にいたるまでその数は無数です。
青華きもの学院では、汎用性を重視し、なるべく市販の着付け道具を使って、
身体が整う着付けを指導しています。
◇着付け道具の選び方は?
◇合理性や考え方が前時代のものが多い
着付けの手順、補整に対しての考え方は様々ですが、
残念ながら着付け教室に限って、令和になっても合理性が、前時代の合理性のままが多いようです。
戦後着付け教室が全盛時のころは、補整をガチガチに決める着付けが流行でしたが、
洋服を見ればわかるように世界的にも身体に負担をかけない方向性で進んでいます。
補整が全く必要ないとか極論を主張する人は要注意ですが、
これからの着付けは、なるべく補整を減らしながら着姿がきれいに見える着付けを目指していくべきでしょう。
◇思想背景のない道具選び
きもの販売店に見られることがありますが、思想背景も何もなく
その組合せでどうやって着物を着るのだろう?という着付け小物の品ぞろえも見受けられます。
◇着付け道具の組合せは相生が基本。
このような沢山の着付け道具を、
どのように選んだらよいのか、そのコツは着付け道具の組み合わせの相生にあります。
思想背景に基づいた着付け道具の組合せは、
基本、相生(お互いを伸ばす)ようにできていますが
組合せによっては相克(お互いを相殺する)という組合せもあるので注意が必要です。
※個別として使いやすくても、全体と調和しない。
個別の着付け道具を理解するより、着付けの思想背景を理解することが大事です。
青華きもの学院では、着付け道具の相生を理解して、着姿がきれいに見える着付けを目指しています。
◇まとめ
長くなりましたが、
着付け道具にはそれぞれ思想背景があるため、世の中には沢山の道具や、使い方があふれています。
[着付けの手順]、[補正]についての考えを理解し、相生を考えながら着付けをできると
もっと簡単に、きれいに見える着付けができるようになります。
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全6回身体整う着付け講座
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