この記事は、
着付初心者向けに書かれた記事になります。
着物には様々な種類があり、着付初心者を悩ますのが
着物の格です。
今回は着物の格の中の一つ、「色無地」について解説いたします。
着物一反(約12m)が無地一色に染められたもの。
昔は、共八掛といい表地と同じ生地で裏地が作られた色無地が多く作られていました。
色無地は、数ある着物の格の中で一番着用シーンが広く、
入学式、卒業式、観劇、七五三など様々なシーンで活躍することができます。
もちろん普段着として着用しても問題ありません。
現在は非常に少なくなりましたが、喪の名古屋帯をあわせることにより、
お通夜や年忌法要にも着用ができる衣服です。
茶道においては稽古着、お茶会の着物として大変重宝されている衣服でもあります。
これから茶道を始めようとしている方には、色無地は持っておきたい、
必須の一着になりますね。
こちらは2024年、インドネシア大使公邸染織パーティでの一場面、
当学院の生徒さんが色無地を多く着用しております。
礼装の袋帯
普段着用袋帯
礼装用名古屋帯
普段着用名古屋帯
と幅広く着用することが可能です。
① 仲居さんや介添えに間違えられることがある。
色無地着用の注意点として挙げるとするならば、料亭の仲居さんや結婚式の介添えの方は
色無地を着用していることが多いので、仲居さんや介添えに間違えられることもあり、
注意が必要です。
② 色無地自体の良しあしはストレートに反映される。
色無地は無地一色なので、誤魔化しがきかず、生地の良しあし、
染料と染める技術の善し悪しがストレートに反映されます。
③ コーディネートが単調になりがち
本来、着物は多色使いの美が尊ばれるものです。洋服は単色使いが好まれます。
これは東洋と西洋の色彩に関する考え方の違いでもあります。
洋服の色彩感に慣れた我々からすると多色遣いの着物を着用することに最初は抵抗感を
覚えるかもしれません。不思議と多色遣いの着物を着用しても似合うのが
着物の特徴的な良さの一つなのです。
それに対して、色無地は1色のみなので、
コーディネート自体は単調にならざるをえません。着物を洋服のように着用したい。
という方にはいいですが、着物本来の多色の美を楽しみたい方は、帯などで工夫をしてみるといいでしょう。
ちなみに着物パーソナルカラー診断なるものがありますが、
これは着物本来の色彩感覚を無視ししたもののなので、あまり真に受けないよう注意が必要です。
着物パーソナルカラー診断について気になる方は下記の記事もご覧ください。
色無地は、着物の中でも着用シーンが広く、
一着でいろいろ着まわしたいという方には
まさにおすすめの一着です。ただ無地一色なので、
着物のコーディネートが単調になりがちなので、
帯や小物で工夫するとより、楽しめると思います。
皆様のお役に立つ過去の記事はこちら。